「ドラえもん」では、環境問題を取り上げた作品はたくさんあります。短篇でも「さらばキー坊」など、いくつかの作品で取り上げられているが、大長編の「雲の王国」はこのテーマの集大成と言えるでしょう。
天国は雲の上にはないのかな、というのび太の疑問に、ドラえもんは自分たちで天国をつくろう、と言います。
中には、環境問題をしつこく取り上げていて説教じみている、という評価もあるようです。ところが、たくさんの絶滅してしまった動物たちが登場する場面があったり、キー坊が登場したり、藤子・F・不二雄先生の多岐にわたる好奇心が盛り込まれていて、とても興味深い作品です。
天上人とドラえもんたちが対立する場面もありますが、やがてお互いを理解していくという物語の展開は、どの大長編ドラえもんにも共通する、大切なテーマといえます。
物語の中で、のび太はノア計画によって、悲惨な情景を見て一時的にパニックになってしまいますが、そんな中でもドラえもんという大きな存在によって、未来はきっと変えることができる、ということを強く信じることができます。
しかし、そんな夢の国がなくなってしまっても、またきっと取り戻そうと強く想います。テーマ曲の「雲がゆくのは…」においても、遠い国を夢見る想いを綴った曲となっています。
このように、「雲の王国」は、大長編ドラえもんの中でも、とても素晴らしい作品といえます。
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